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さて、話は神奈川を走る車の中に戻ります。 助手席に乗った
彼女のほうが先にくちを開きました。「本当に息子さんですか?」
「ん?どういう事ですか?」「あのぉ、、実は彼から家族が居るって
話は聞いた事がなく、天涯孤独だって言ってたから・・」 それを
聞いた僕は思わず笑ってしまいました。 なるほど、、別の人間
として生きたほうが色々が楽だろうからな、、と思いつつ、ならばと
改めて自己紹介したのですが、 「あ、その利之っていう名前は
甥っ子だって聞いてます」との事、、またまた笑っちゃいました。。
天涯孤独なのに甥っ子ですか?ってね。 それを聞いた彼女も
なるほどぉ・・って言ってました。 それから暫くは僕が息子である
のを確かめるような話や 僕の家族の話などで数時間費やした
のですから よほど信じられなかったのでしょう。 結局、その日は
ホテルに一泊して夜通し話すことになりました。 亡くなる数ヶ月
前に二人で最後に行ったグァムの写真は 頭にバンダナを巻き、
外人さんと笑顔で談笑する父親の姿があり、僕の中にあった、、
40年前の父親の姿そのままでした。 何枚もの写真を見て、、
父親なりに幸せに暮らしていたのを知り ホッとしたものです。
ところで、父の遺骨はどうしたのですか? と聞く僕に彼女は
彼の好きだった 真っ青な空と海のハワイに散骨しましたと言う。
散骨?ハワイ?散骨という言葉は知っているが なんでまた、、
わざわざハワイの海に、、どうやって持っていったのか聞くと背中に
リッユクを背負い持って行ったのだそうです。 更に写真を見ると
白い棺の周りに真っ赤なバラの花が飾ってある写真がありました。
父親の棺だそうで、俺は線香が嫌いだから要らない、バラの花を
飾って欲しい、、葬儀は要らない、、部屋に置いてくれれば良い
それから、、俺が死んだら近所にある○○葬儀屋に行けば良い
葬儀一切を頼んである。。と終幕間近に言ったのだそうです。
父の死後、彼女は 生前 父親の指示した通りにしたい という
一心で散骨まで動いたそうですが 父親の言いつけ通りに出来た
満足感もあるし、今もすぐそこで私を見守ってくれている気がする
そういう彼女の顔は 何か事をやり遂げた満足感をたたえている
ように見えました。 多少の蓄えは残したようですが これから先
生きていくのに役立てれば良い事と 父親の最後を看取ってくれ
たのは有り難いが、彼女自身は父に縛られず 自分の人生を
生きて欲しい事を告げて神奈川をあとにしたのです。
走る車の中で父親の言動を考えました。 なぜ散骨を選択した
のか、、なぜ自分の葬儀の事前相談をしたのか? 本当の所は
分りませんが 僕なりに思ったのはこうでした。 まだ60才を過ぎた
ばかりの彼女が自分の遺骨を抱えていては 新しい人生を送る
上で大きな障害になりかねない。。 この先良い人との出会いが
あったとしても墓があったら 色々な詮索をされる事になるだろう。
ならば、何も残さないのが最善、、そして、事前相談については
結婚もせず、、何十年も過ごしたのですから彼女の家族からは
決して良い印象はないでしょうし もしもの時に頼れないだろう。
ならば、生きているうちに自分の最後はキッチリ決めて支払まで
済ませておけば、、彼女への負担が減らしてあげられる。。
きっと、こんな愛情からじゃないかなぁ、、、ってね。 これが正解
だとしたら 最後まで人に対しての優しさを持っていられたって事
ですし、、14才年下の彼女、、さっすが俺の親父!って感じ。。
群馬に戻り、PCに向かい「散骨」と入力した事から散骨・墓・
葬儀、、などについてネットで読み始めたのですが、調べれば、、
調べるほど、、変だと思うようになっていくのです。・・・つづく
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