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お葬式の数日間、我々に出来る精一杯のお世話をさせて貰う、、
この感覚は いつもと変わらないのに いつも以上に家族の温もりを
感じられた葬儀になったのは、孫達の優しさゆえなのでしょう。
同じようにお葬式をしても「家族や親戚が喧嘩になる家もあれば」
「家族の絆がより強くなる家もある」、、、不思議ですね、、なにが
違うのでしょう? 何処が違うのでしょう? 我々が客観的に見ると
一つだけ大きな違いがあるのは気づいています。 それはですね
喧嘩に成る家は、、家族や親族、各々が自己主張しています。
一方、絆が強くなる家は、、ものを考える優先順位が同じ基準に
あるように思えます。 まずは故人、、と言いたい所ですが最優先
するのは喪主や施主、、ようは、支払いをする人の意志と意見を
周囲が尊重する家は まずもめる事はありません。
今回もそれを改めて教えられました。 喪主である母親の意見は
ご主人も、子供達も、、最優先して その範囲で故人や周囲の
意見を調整するのですが 見事なほど整備されています。 また、
喪主も ご主人や子供達のちょっとした言葉から 相手の心情を
察知して我々に相談していました。 僕も二人の子供の親であり
子育てらしき事もしたはずですが 上手に育てたなぁ。。。と感心
するばかりです。 お葬式のお世話をして、子育てまで教えられる
とは実に不思議であり、、面白いものです。 ・・・つづく
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出棺前はみんなで棺を囲んで 最後のお別れをしてたのですから
霊柩車が到着すると 慌てて出掛ける準備をする状態でした。
男性陣で出棺したあとも 女性達は慌てて仕度をしているせいか、、
あっちへ行ったり、こっちへ来たりしているだけ にも見えたので、
「火の元と電気は 2階も大丈夫ですか?」と言うと「あ、はぃ」と言う
長女が鍵を手に持って これどうするの? と言うように喪主の顔の
前に出したのですが、、喪主いわく、、「武井さんに預けて!」でした。
はっ? なんで俺なの、と思いつつも預かった鍵だったので無理矢理
預けられた鍵 と言ったのです。 でも考えてみれば ほんの数回
しか顔を合せてない僕に対し 自宅の鍵を預けてくれたのですから
それだけ信頼された証明でもあるので嬉しくもあり有り難い事です。
鍵を開けて家に入り 葬儀をした部屋の片付けに15分ほど掛かり
後壇を設置すると すぐに斎場まで車で20分距離を戻りました。
斎場に戻ると拾骨は始まっていましたが間に合ったようです。
斎場職員が骨の説明をし、一番上に一般的には喉仏と呼ばれて
いる第二頸椎を乗せると終了です。 斎場から自宅まで20分間
走っているうちに外は雪が舞い始めました。 孫の流した涙に対し
故人が花吹雪のような 雪の舞いで応えているかのようでした。
自宅に戻り線香をあげると葬儀は全て終了し 親族の方々も雪が
積もる前にと各自自宅に帰ると お茶を飲みながら葬儀を振り返る
ような話題となりました。 しかし、人の縁とは不思議なものです。
ほんの少し前は全く知らない者同士だったのに 今は下手な親戚
より ずっと近い存在のように 腹を割って話をしているのです。。
葬儀という特別な儀式だからなのでしょうが、、我々が腹を割って
話すと 相手も同調して腹を割ってくれた関係の中で行なわれた
お葬式に対する満足感は、、同じような満足感を感じるようです。
・・・つづく
親族が棺の周りを囲むと始めに孫娘達の書いた「お別れの手紙」を
一人づつ読んで貰うつもりで長女を指名すると、、とても読める精神
状態でないとの事で、、次女、、三女と振りましたが誰も読めません。
横に立っていた喪主のお母さんが「武井さんに読んで貰えば、、、」と
言い出すと三人が手紙を渡すのです。。えーーーッ 俺なのぉーッ!?
仕方なく三人の手紙を読み始めますが、、声は詰まり、、涙で文字
さえちゃんと見えませんが、、詰まりながらも何とか読み終えました。
見ると孫達は目を真っ赤にして、自分の書いた手紙を聞いていた
ようです。周りの親戚達も僕の詰まる声に 連鎖反応を起こしたかの
ように うるうるしたようです。何とか大役? を終えると部屋に飾った
生花をみんなで棺一杯になるほど入れて出棺となりました。
斎場に到着するとすぐに火葬が始まります。
毎回、思うのですが この火葬炉を閉める瞬間が 最も悲しい時
であり、心の中でけじめをつける時のように思えます。
孫娘の長女がその場にしゃがみこんで泣きじゃくっていました。。が、
火葬炉の前を離れたあとは、吹っ切れたように見えます。
拾骨までの70分間に行なう お清めはアシスタントの女性に任せて
無理矢理預けられた? 家の鍵を使って部屋の片付けと後飾り壇の
設営に自宅へ戻ったのですが、無理矢理預けられた鍵と表現したの
には 出棺直前にこんな流れがあったからなのです。 ・・・つづく
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