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美容に携わって30年のある日 忌み嫌ってきた葬儀の仕事を始めるきっかけとなる時は突然訪れた。。
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お化粧をしたお婆ちゃんは、、髪が薄くなっていたので「何か帽子

のような物はありますか?」と聞くと 出掛ける時 被っていた帽子

というか、、上が平らなターバンような物を持って来てくれました。

それをお婆ちゃんに被せて もう一度ドライアイスを所定の位置に

当てると 可愛い寝顔のお婆ちゃんです。 お線香をあげに来て

くれたご近所さんだけでなく 親族の方々もくちを揃えて「良い顔

だねぇ。声を掛けたら目を覚ましそうだね」と言ってくれました。

こんな時は、僕の狙っていた通りの結果になった気がして嬉しい

ものです。と、そんな中で ある人が 93才で亡くなったのだから

「長寿銭」を出すのが普通だろうとの話が出たそうで ご家族は、

どうすれば良いかと僕にたずねたのです。 僕の答えは簡単です。

「必要ありません。理由は、長生きした祝いって事なのでしょうが

生きている時に配るなら それで良いと思う。でもね、故人の家族

から見れば 亡くなった今、ちーっともめでたい時じゃないでしょ?」

これを聞いた家族は納得されたようでした。 葬儀に限らずですが

こんなちっーとも良くない慣習はいくらでもあるはずです。 それを、

慣例や慣習だからと 何も考えずに行なうのは賛成できません。

続いて故人の娘である 僕より少しだけ年上の奥さんが言います。

「やはり着物でしょうか?」これも即答で「黒の洋服で良いですよ

普段、着物は着るの?」「ううん ぜんぜん、、」「なら洋服ですよ」

以前書きましたが、僕は着物の着付けができる人間で 新郎の

紋服姿は1000人以上着付けをしてきました。 本音で言えば、

紋服の着付けをしたら県内では一番上手だと思っています。

その理由のひとつには僕が男だからです。 紋服の着付けをすると

袴の紐を結ぶのは どうしても男性自身に近い部分に手が行くの

ですが、男の僕はどうって事ありません。けど、女性はどうしても、、

遠慮が出るので 上に結び目が来て、、七五三のようになるのが

現実です。 そんな僕が言うので この部分は説得力があります。

そして、もうひとつ、、故人のお膳である白木膳に供える「枕団子」

ですが、普通は上新粉(米粉)で作った団子を備えるのですが、、

今回は娘婿の作った蕎麦が好きだった故人なので そば粉団子

にして 棺の中には先に逝ったお爺ちゃんと一緒に食べるようにと

蕎麦も持たせてあげました。公営斎場の半分に仕切れる式場で

人数の少なさがカバーできるよう 半円を描くように椅子を配置し

多少増えても問題なく すぐに席を増やせるように準備しました。 

なぜか多くの葬儀屋さんは 元々ある椅子数のままで少人数の

葬儀も行うのですが 家族から見れば 空席がいっぱいあるのは、

決して良い感じではありません。 ならばもっ小さい部屋で、、とか

本来なら故人を弔う気持ちだけを 優先させれば良い事なのに

気の利かない葬儀屋さんの為に 余計な神経ばかり使わなきゃ

ならない現実のほうが多いようです。 まだ、たった3年の経験しか

無いあんしんサポート 葬儀社から見たら素人に毛の生えた程度

かもしれませんが だからこそ「家族目線での葬儀」ができるのです

今回の葬儀中、、葬儀後と何人もの人達に「良い葬儀だった」

「何処の葬儀屋さんだ」と家族は聞かれたようですが 父親の時の

葬儀とは全てが あまりに違うし、ひとつひとつの細かい部分にまで

無駄な費用は掛けさせまいとする葬儀屋さんが あるのかとビックリ

したようです。 葬儀が済んで翌日集金させて頂いたとき、喪主で

あるご主人が「初めて会って何日目だっけ? 5日目?」と言い、

「いいえ 4日目ですよ」と言うと 「だよなぁ、、たった4日間なのに

ずっと前からの知り合いみたいで 武井さんの言葉に 耳を傾けて

いる自分に 何だか洗脳されちゃいそうだ」と言って笑っていました。

洗脳しても 2回も葬儀はしないので 何の意味もありませんが 

たった4日間の付き合いなのに それだけ信頼してくれたからだし

ご近所で数軒、、そう遠くない未来に葬儀があるだろうと思われる

今回と同じような年令の老人が居る家庭には 葬家がすでに話を

してくれたのだそうです。 ありがたい話です。 今回の葬儀もまた、

新しき、良き出会いに恵まれたお葬式でした。 その葬儀費用は

宗教者謝礼だけは別途ですが 会葬者50名 料理22名で

返礼品・料理・桜の枝も飾った祭壇生花・司会やスタッフは勿論

会場費から飲物まで全ての費用と消費税も含めて579650円

という結果でした。 前回の安置祭壇写真・今回の式場写真を

見て頂きましたが  あなたの知っている葬儀や 思い描いている

葬儀と比べて どんな風に感じますか?・・・つづく

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