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美容に携わって30年のある日 忌み嫌ってきた葬儀の仕事を始めるきっかけとなる時は突然訪れた。。
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昨日11日午後1時から、あんしんサポート設立研修会が前橋

市内の公営会議室で始まりました。 13名の参加者でしたが、

一人一人が10分間、自分の事に対して話しをし、そのプレゼン

テーションを聞いた12名が、話しの仕方や、内容、起承転結等

良い部分や課題点などを話すのです。 これは、内閣府事業の

中で起業支援金を受けるのに必要な事でもあるからでした。

あと一人のところまで来た午後4時数分前、一本の電話が入り

ましたが、会議室を出て電話を受けた千明が部屋に戻り、僕に

小声で言います「葬儀依頼です」 それを聞いた僕は即刻出席

されている皆さんに伝えます。「只今、葬儀の依頼が入りました。

これから葬儀実践研修に切替えます」 僕と千明はすぐ事務所

まで戻り、千明は安置道具一式の準備に入り、僕はドライアイス

15kgを取りに業者さんの事務所に走ります。

準備が整い、道具類を車に積んで走り、参加者と途中で待ち合

わせして自宅のある高崎市の市街地に向かいます。

途中、依頼内容が正確に理解できていないので、千明に再度

確認をすると、故人は20代女性、自宅での自殺、お金が無い

のでできる限り費用は抑えて欲しいと、家族から依頼されたらしい

男性からの電話だと聞かされます。 続けて千明が言います。

この季節なので、腐敗しないように早くと言っていたとのこと・・・

参加者にとっては、初めて見るであろうご遺体となるはずです。

もしも、傷んだご遺体だったり、見るに耐えないご遺体だったらと

思うと、少し考えましたが、あんしんサポートを設立する人達なら、

これも経験と思い、到着するとすぐに指示を出します。

「普段こんなにゾロゾロ行く事はないが、突然の事で片付け等が

あるならと思って連れて来た。と言うから、みんなはテキパキ動く事」

そのまま自宅に入ると、警察の検死も済み、ご遺体は布団に寝て

いました。簡単にご挨拶すると、故人の母親が「これを着させて

ください」と渡されたのは、パジャマでした。「分りました」と改めて

ご遺体を見ると顔当て布はしていますが、坊主頭なのです。

あれ?女性って聞いているけど・・・当て布を取ると20代の女性

ではなく、30台前半の男性でした。裸のご遺体に千明と二人で

パジャマを着せますが、少し硬直が始まっているので、袖に腕を

通すのが大変でしたが、何とか着せることが出来ました。

首にはしっかり痕が付いてはいるものの、予想したほどでもなく、

この程度なら、初めてでも大丈夫だろうと思いましたが、結果的

には本日一人がリタイヤしました。 駄目な方は中途半端にやる

より 潔く止めたほうが良いと思っていたので、ある意味正解です。

パニクッている家族と話をすると、費用が心配のようなので5万円

火葬支援パックをお勧めします。聞けば国保にも入っているとの事

ならば、実質無料でできる旨を説明すると、すぐに決定です。

高崎市の斎場で火葬予約を取り、明日午前10時30分には

棺を持ってくるので、その時点で納棺になる事を伝えると、先程

まで会議をしていた施設に戻ったのです。時間は午後6時30分

千明が言います。「こんな事ってあるんですね。百聞は一見に如

かず、だから葬儀実践が入ったほうが勉強になるよねって言ってた

事が本当になり、午後7時からはあんしんサポートで葬儀をされた

数人の方に来て頂いて みんなで食事をしながら懇親会をする

ってのが、全てその通りですよね。 なんだか鳥肌が立っちゃう」と

言うのです。 その時は「ふーん」程度に聞いていましたが、後から

考えると なるほど・・・と思うのです。・・・つづく

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昨日書き忘れましたが、故人の居住地である高崎市斎場には

霊安室がありません。 一部屋だけ和室の安置室がありますが

基本的には通夜をされた方が、翌日の葬儀まで使用する部屋

なのです。 そこで、今回のように隣接ではありますが、隣の市で

ある前橋市の施設に安置するという事も起こるのです。

あんしんサポートなら、移動の寝台車や 霊柩車費用の加算も

無いので費用的には問題ありませんが、一般の葬儀社だとしたら

移動や搬送費用だけでも あんしんサポート火葬パック5万円を

上回る費用の加算になるはずです。 

費用の心配などせずに済む人達にとっては理解できないかもしれ

ませんが、お金の無い人達にとっては、ほんの数万円でも大きな

ことですし、後々の自分達の生活だって圧迫するのです。

そう思うと、できるだけ早い時期に誰でも安価で利用できる安置

施設を作りたいとは思いますが、どうすれば費用の捻出ができる

のか? 安置施設を承知で貸してくれる物件なんてあるのか?

などなど・・・いくら考えても答えの出ないことばかりです。

時々、お金持ちの人が これ使って!って物件提供してくれたら

とか・・・ このお金で建てて!なんて寄付してくれないかなぁ・・・

などと千明がくちにしていますが、そんなに甘くはないですね。

いずれにしても、一般消費者や高齢者などの弱者の支援には

絶対に必要な安置施設なので、次の目標に設定して頑張る

しかありません。 いつか、この紙面で施設完成!って書きます。

ところで、今回は前橋市の施設から 高崎市の斎場まで当日に

移動して10時火葬だったので、前橋の施設を午前8時45分に

出発したのです。 いかんせん、朝の時間帯は混雑状況によって

到着時間も大きくずれるので ある程度の余裕を見て出発です。

途中、故人のお母さんを乗せて斎場近くまで来ると5分ほど早い

のが分り、すぐに高崎では一番有名な白衣観音の正面にある

道まで走りました。「お母さん、高崎で育った故人だから 最後に

観音様を見せてから斎場に行こうね」 そう言う僕にお母さんは

「思い出の場所を通るなんて、なんだか有名人みたいですね。

あ、観音様が見えた、見えた 良かった良かった」と言って喜んで

くれました。 火葬場には 家族や仲間達が集まっていてくれた

のですが、たった5分だけ車のハンドルを逆にきるだけで、故人を

送るお母さんの心に思い出を作ってあげられたのです。

仕事を淡々とこなすのでなく、今、この時に何をすべきか 家族と

同じ目線で、同じ感覚で行なえるのが あんしんサポートの葬儀

なのかもしれない。 我ながら改めて感じた日でした。・・・つづく

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昨日ひとつの葬儀が済んで 午後から散骨に行ってきましたが、

千明専務の顔が昨晩から腫れ始め、今日は顔全体が腫れてて

皮膚科の病院に行ってきました。 何十回も散骨に行っている

のに初めてのことです。 いつもと違うとすれば昨日は10名ほどが

散骨に同行したのと ちょっと体格のいい方もおられたので いつも

より少し遠回りだけど 坂のゆるい道を選んだことです。 この時期

途中は身長171cmの僕の肩くらまで伸びた雑草をかき分けて

歩いたので 何かにカブレたのでしょうか? 初めは蚊に挿された

のだと思っていましたが、違うのは確かなようです。 それにしても

顔だけで 他は何もなく 特別痒い訳でもないのだそうですが・・・

この季節、山で恐いのは蜂だと思っていましたが、自然の中には

色々な危険もあるのですね。他の10名ほどの方々は今のところ

何も無いようなので良かったです。 昨日は火葬だけの葬儀でし

たが前回書いたように、予定していた安置の方法でなく、故人の

仕事の師が、安置費用は出すからと言ってくれたので民間施設

への安置となったのです。 火葬前日の夕方から夜にかけて仕事

仲間達が仕事着のまま、駆けつけてくれ皆さん線香をあげて故人

とのお別れをしてくれました。 その時にひとつ気付いた事がある。

葬儀では、直接顔を見ることもなく、写真に向かって焼香をする

だけになるのが普通ですが、今回はひとり、ひとりが近くでお別れ

できたのです。そこで、最も人が多く来てくれている時間だと思えた

午後7時頃、納棺をさせて貰いました。 特別旅支度をする訳

でもなく、改めて湯かんをするでもないのですが、枕元に何人かの

方が持ってきてくれた花があったので、それを利用しました。

みんなで、ご遺体の下にひいた防水シートを持って棺に納めると

お母さんが用意したジャージを上に掛け、棺用の布団を掛ければ

基本的には完了です。 そこで、生花の花を摘まんでお茶用の

トレーに2つほど置いて、一人一人、お花を顔の周りに入れて

貰いながら 最後のお別れをして貰ったのです。

火葬だけの葬儀で、通夜も特別何をする訳でもなく、来てくれた

人達も皆さん、仕事着ですから、ペンキだらけの服を着ている人、

ニッカポッカ?のような職人さんの履くズボンで来られる方などの

ほうが断然多いのですが、故人の顔に手を当てる方、頬を撫でる

方など ひとりひとりがしっかりお別れをしながら 花を棺にいれるの

を見ていると、こんなお別れの仕方もありだなぁ・・って思えました。

故人を布団に安置したとき、目とくちを開けていたのですが、一旦

家族が家に戻られた時、目もくちも閉じておいたのですが、沢山の

人達がお別れに来てくれた訳ですから 処置をしておいて良かった

と思いました。 午後5時頃に安置施設に行ったのですが、結局

10時過ぎまで我々も安置所にいることになったのです。

火葬5万円・散骨5万円ですから合わせても10万円の葬儀の

葬儀ですし、宗教者もおらず、祭壇もなく、改めて何もない通夜

なのですが、僕の中では何となく温もりのある温かい時間に思えた

初めて経験する通夜のあり方であり、仕事中間達とのお別れを

見せて貰いました。 ・・・つづく

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