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美容に携わって30年のある日 忌み嫌ってきた葬儀の仕事を始めるきっかけとなる時は突然訪れた。。
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本日は火葬支援パック利用の納棺でしたが、親戚の方が千葉県の

松戸市から来ていました。 納棺が済んでお茶を頂きながら話しをし

てる中で、本日の火葬パック一式が税込5万円だと分かると「あのー

ちょっとお聞きしたいのですが、千葉と神奈川にも、あんしんサポートは

あるのですか?」と聞かれました。 そこで「千葉県は早ければ今年中

にはできると思いますが、神奈川は難しいかもしれません。埼玉県や

ちょっと離れた北海道にはできる予定です。 ところで、利用するような

状況にあるのですか?」 とお聞きすると「実はうちのかみさんが病気で

あと何年という単位で生きるのは難しいと言われたのですよ」とのこと。

「ならば、万が一が訪れる前に、ヤバイな・・・って思ったらうちに電話

してください。 その時点であんしんサポートが始まっていたら、連絡の

取れる電話番号をお教えします。 もし、その時に出来てなかったら

葬儀社への対応方法や要不要品・費用面など何でも聞いてくれ

たら 多少は費用も抑えられると思いますが、いかがですか?」と答え

ると「分りました」とパンフレットをカバンの中にしまったのです。

「ところで、千葉県の何処ですか?」と聞く僕に「松戸市です」と答え

られたのですが、松戸市の場所が分りません。

僕は「あんしんサポートが生まれるのは鎌ヶ谷市ですが近いですか?」

と聞くと「鎌ヶ谷は隣りですが、対応してくれるでしょうか?」と言うので

「隣接市なら問題ありません。間違いなく対応できるはず」と言うと

ニコッと「分りました」と答えてくれました。 それから暫く葬儀談義を

していると、今は無くなったけど、以前は火葬に『上』と『並』の格差が

あったのだそうです。 それを無くしたのは、皆さんが名前は知っている

ドラッグストアの【マツモトキヨシ】本人が松戸市長の時なのだそうです。

【すぐやる課】を作ったのもこの人で、火葬炉は全て同じにして新たな

火葬場を作って一番最初に利用したのも 本人だった・・・そうです。

世間に支持されるドラッグストアの創業者であり、本人が他界した後

でも【マツモトキヨシ】と名前を後世に残すような人は、市長になっても

やっぱ器が違うのかもしれないと思いました。

ところで、火葬炉の格差?って理解できますか? 実は今でもあると

言っていました。 火葬炉の入口が豪華に出来ているか、普通かの

違いなんでしょうか? 間違っても焼き方が違う・・・なんて事はない

でしょうから。何がどう違うのかは ちーとも分りません。

もしかしたら、うちのような黒のクラウン霊柩車と やたら豪華な外車

霊柩車の違いのようなものなのでしょうか? 僕個人は焼場は焼場

でしか無いのだから みんな同じで良いと思いますが、何でも人と違う

高級志向の人ってのも居る・・・って事なんでしょうね。 残念ながら、

いくら考えても僕には理解できないようです。 で、葬儀の話しを色々

していると、こんな風に言われました。

「かみさんの葬儀に、どれだけの費用が掛かるのか分らないから多少

蓄えがあっても使えないのが現実だったけど、こんなにハッキリ料金が

明示してあれば、必要な金額だけ残しておけば 後は使えますよね」

この人・・・事の本質が分っている方のようです。 その通りなんです。

火葬の5万円であれ、100名の葬儀であれ、ほぼ正確な概算さえ

分っていれば、あとの預貯金やお金は使えば良いんです。夫婦での

思い出旅行に行かれるのも良いでしょう。 好きな料理の食べ歩き

だって良いです。 夫婦の思い出作りやあとに残った配偶者の生活

費用だって何だって良いんです。 いくら掛かるか分らないから多少の

蓄えじゃ使えない・・・こんな馬鹿げた話しは無くなるんです。

でも、嬉しかったです。 僕らの意図する部分を初めての人も分って

くれたし「この話、多くの人が待ち望んでいるはずですよ」とまで言って

貰えたのですから・・・ やっぱ、群馬だけでなく、全国、全県、日本

全体で待ち望んでいる人達はいるんですね。 何県かは手をあげて

くれている人達はいますが、全国で誰か手を上げ、開業してくれたら

『一銭も要らない葬儀』を初めとして、助かる人達は沢山いるのにな

・・・なんて改めて思わせてくれた人との出会いでした。・・・つづく

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昨日、事前相談に行った家庭で、配偶者の通帳について聞かれ

たのです。 入院している夫名義の通帳が出てきたのだけど50万円

ほど入っているとのことでした。 通帳を見せて頂き、カードの有無を

確認すると、カードは作っておらず印鑑さえどれだか分らないとのこと。

そこで、改めて こんな内容の確認をしました。

「お子さんはいらっしゃいますか?」 すると「居ます。九州と関西に

住んではいますが、殆ど実家に来ることもないとのこと」 そこでもっと

突っ込んだ事を聞きます。「失礼ですが、お子さん達家族は二人の

生活費や、これからの生活の面倒は見てくれる予定ですか?」すると

「いいえ・・・それはないでしょう。 葬儀になっても来るかどうか・・・」

これを読まれた方は「えっ!? 親の面倒も見ないし葬儀に来ない

かもってありえるの?」なんて思うかもしれませんが、こんな感じの親子

関係は時代のせいなのか・・・親子関係が希薄になったのかは分りま

せんが結構多いんです。 寂しい気もしますがしかたありません。

また年金は二人で数万円とのことでしたので、意識の無いご主人の

名義ではありますが、銀行に行っておろす事にして貰いました。

自宅にあった数本の印鑑と通帳、そして二人が夫婦であると証明が

できる保険証を持っていきましたが、残念ながら印鑑が合いません。

受付で話しをすると、数日後自宅に封書が届くので それを持って

来れば手続きはできるとの事で自宅に乗せて帰ったのです。

その数時間後、依頼者から電話があり、印鑑が見つかったのですぐに

全額おろしてきたとの報告でした。

すぐに貯金をおろした理由ですが、入院中のご主人名義の通帳なの

ですから、ご主人がもしもの時は貯金は凍結されて、一切おろせない

状態になり、配偶者である奥さんと二人の子供達の印鑑証明付き

遺産分割協議書が必要になるのです。 少額年金だけで暮らして

いる夫婦の50万円の貯金・・・ これから入院費やら、もしもの時は

あんしんサポートであっても5万円は必要になるのです。

普段、全く行き来の無い子供達が、もし、自分の財産分与を要求

でもしたら、この老夫婦が可哀相過ぎます。 今はまだご存命なの

ですし、普通の家庭なら財布も財産も夫婦共用です。 ならば・・・

面倒な手続きなどしなくても良いように、いつでも配偶者が預貯金は

おろせるようにカードを作っておくとか、印鑑や通帳の所在や、何処の

銀行にいくらあって、いくつの通帳があるのかなど、夫婦間でちゃんと

しておく必要はありますよ。 葬儀だけでなく、こんな相談に乗るのも

相談者や依頼者の心を落ちつかせられるようです。・・・つづく

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朝の9時30分、一本の電話が入り60代の奥様が余命数日程度と

医師より宣告され、どうして良いか分らずに 電話帳にあったNPOの

文字を見て連絡をくれたのだそうです。 午前11時、借家の自宅に

伺うと細身で60代後半の男性が待っていてくれました。

簡単に挨拶をすると奥さんの病状や、医師の判断などを聞きます。

少し話しをしていると生活保護家庭である事が分かり、葬祭扶助が

受けられるので、葬儀費用は支給される旨を伝えると 安心された

ようで、ご夫婦の話しや、医師から宣告されてどうしようと心配になり

この2日間食事も喉を通らず、パンを牛乳につけて流し込むようにして

やっと一枚食べるか どうかだったなどの話しを聞かされました。

おじゃましてから2時間色んな話しをしましたが、葬儀うんぬんの話は

最初の30分程度で、あとは依頼者のストレス解消談話?とでもいう

感じで1時間ほど話しを聞いていると 依頼者の表情が柔らかくなって

話し方も普段のご主人だろうと思えるほど 柔らかい表情と話し方に

なっていました。 そこで、もう一度話しを万が一の時に戻して再確認

することにしました。 

※月曜日に市役所の福祉課に行き、万が一の場合に受ける葬祭

  扶助申請の事前承認に行くこと

※葬儀は火葬ですが、過去の県内数ヶ所の例では、散骨費用まで

  支給して貰えたので前橋市でも問題はないであろうとの話しはした

  のですが、生活保護の認証や葬祭扶助の法的解釈は市町村の

  行政により解釈に違いがあったり、場合によっては担当者よっても

  違うことだってあり得るなどの話しをしました。

「あんしんサポートでは火葬費用+散骨費用が総額でも10万円で

できるので、普通の葬儀社なら火葬だけで全国平均17万円なので

すから問題はないはず・・・との話しをしました。 でも、もし担当者が

難色を示すようなら、火葬だけで全国平均料金を提示することだって

可能だから もしもの時でも何とかしますよ」と笑って言う。

ご主人の顔がほころんで、安心した顔になったので最後にもうひとつ

「きっと、これから何度も夜中に病院から呼ばれる事になるでしょうから

まずは、自分自身の体調管理をする為にも ちゃんと食べなきゃ駄目

ですよ。 僕らが帰ったら食べてくださいね。 食べられそうですか?」

そう聞くと、「はい すごく気が楽になったので食べられます」と答えてく

れました。 車を見送ってくれるご主人は、先程来た時とは明らかに

違う表情です。 また、ひとつ依頼者から教えられました。

お金に心配の無い人は分りませんが、家族が終幕を迎えようとすると

やはり、費用の問題も含めて相当にストレスがあるのが現実です。

それを人に話し、解決策を講じてくれ、溜まっていたストレスを話すと

結果的に家族の心のケアにもなるのだということなんですね。

だとすれば、個人の相談でも、座談会でも、或いは講演でも良いから

色んな人達と、色んな場所で、色んな話しをする事も、ある種の福祉

でもあり支援でもあるということなのでしょうね。・・・つづく

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