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知人の紹介で来たという若いご夫婦は、六十一才の父親が末期
癌で 最長余命でも三週間と、宣告されて来たのだと言う。
母の友人から ある葬儀社を紹介されているが、弟の知人からは、
あんしんサポートが良いと言われたので話しを聞かせて欲しい。
今晩、母の知人紹介葬儀社から話しを聞く事になっているが、
その前に、あんしんサポートの話を聞いておきたいらしい。
まぁ、普通は母親の友人紹介で、家に来るなら それで決まり
だろうが、折角来てくれたので、普段通り、思うままの話しをし、
相手の話しを聞いて、できるアドバイスはしたのです。
でも、僕の中では若干の違和感があります。 話しの様子から
だけなので 正確ではありませんが、家族みんなが 葬儀をどう
するか? お寺はどうするか? などに振り回され過ぎて、肝心の
入院している父親との時間が 後回しになっている気がして成ら
ないからです。 そこで、帰り間際、来てくれた長男に言います
「葬儀も大切だけど お父さんと色んな話しをしておいたほうが
良いよ」 「はい」そう言って帰った翌日の午後、昨日来社して
くれた本人からの電話で、隣接市にある自宅に来て母親とも
話してくれませんか? との連絡が入り行くことになったのです。
夜七時自宅に伺うと 昨日のご夫婦と母親、二人の弟が待って
いました。一階は一間ですが、変わった作りだなと思っていると、
長男が言います。 「ここ元々倉庫だったのを改装して住んでるん
で台所も丸見えなんですよね。 父親が商売に失敗して自己
破産したからなんですけどね」と言う。 なるほどなぁと思っていると
母親が話し始めます「昨日来た葬儀屋さんは、斎場で葬儀する
時は受付を二人無料で用意してくれると言ってくれました」
「はぁ?あ、そうですか、僕はその土俵にあがる気はありませんから
今日は僕の感覚で話しをさせて貰いますね」 そう言って母親の
顔を見るとムッとしたのが分ります。 「ところで僕を呼んだのは
どんなお話しですか?まさか、その受付の話じゃないですよね?」
さらにムッとした様子です。 それを見た長男が一通りの話をし、
今百万円持っているから 母親はそれで精一杯の葬儀をすると
言うのですが、昨日来た葬儀社も それが良いと言う。 でも、
僕らは父親が葬儀なんて要らない、火葬だけで良いと言ってたの
だから その意に沿えば良いと思うのですが、、との事。
やはり昨日聞いた時に感じた違和感は変わりません 「ある程度
の話しは分りましたが、根本的な部分に間違いが あるような気が
するので、少し僕の話しを聞いてもらって良いですか?」と話し始め
たのです。 「確か、お父さんの余命は長くて三週間ですよね?
だとしたら葬儀の打ち合せは 確かに大事だけどもっと大切な事が
あるでしょ? いいですか? あと最高でも三週間経ったらお父さん
とは話しも出来ないし、声も聞けなくなるんですよ? だから、今、
みんなが第一に考える事、 それは、少しでもお父さんと一緒の
時間を過ごす事じゃないの? お母さんは明日、今までにみんなで
撮った写真やアルバムを全部持って行き お父さんと過去の全て
の時間を思い出して話す。 みんなは仕事が終わったらできるだけ
病室に行って お父さんとの思い出を話したり、新たな思い出を
作ること。 それ以外の時間を使って葬儀なんて考えりゃ良い、
それと、みんな看病しよう思っているみたいだけど、もう看病の
時期は過ぎちゃったんですよ。 だから 食いたい物があれば食わ
せる。 外出可能なら行きたいところがあれば出掛ける。 したい
事をさせて、後で自分達に後悔が残らないように、可能な限りの
時間をともに過ごす事じゃない? 違う?」こう言ってみんなの顔を
見ると、先ほどムッとしたお母さんでさえ涙ぐんでいます。
ついでだと思い話しを続けます。 「お母さんは、今ある全財産、
百万円で出来るだけの葬儀をしてあげたいと言いましたね。
気持ちはよーく分かりますが、 自分が病気になる可能性はゼロ
ですか? 予想外支出は絶対に無いと言い切れますか? ねっ
だから気持ちは分かるけど 無理はしちゃ駄目なんですよ。
それとね、今日始めて聞きましたが自己破産をしたのなら、大きな
葬儀をしているのを見た債権者はどう思うでしょう、 それに、お父
さんの火葬希望まで加味すると、この部屋で行なう葬儀を第一に
考えるのがベストに思えるのですが、その辺から全てを一旦白紙に
戻して組み直すくらいの時間は充分にありますよ、いかがですか?」
これを聞いたお母さんは「えっ こんなところで出来るんですか?」
「はい 充分できると思います。 ならば、どんな感じになるか図に
してお見せしましょうか?」不思議なものです、たった十分ほど前は
ムッとしてた人が 今は素直に話しを聞き、心を開き始めているの
です。 そこからは、お父さんの話しや、思い出話、、写真アルバム
には家族全員で過ごした 仮装クリスマスの写真もあり、元気な
笑顔のお父さんが、 鹿の角のカチューシャを頭に乗せて写って
います。それを見たお母さんが言います「家が、我が家が好きな人
だから もしもの時は ここにゆっくりさせて あげたいと思ってるんで
すよ」 この家族、父親の事業失敗で、迷惑を掛けた親戚もいる
はず、だから親戚からの圧力も含め 辛い時期を共有した事で
家族の絆が強くなったんだなって思えるのですが、僕自身の過去と
重なるものがあります。あんしんサポート設立のきっかけとなった
父親の逝去通知、その父親が引き起こした倒産、、この家の話を
聞きながら、僕の心の中は十五才の時に倒産した日の出来事が
蘇りました。・・・つづく
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一万円合同散骨の立案、八万円を五万円に値下げした瞬間、
五万円だけでできる火葬パック、これらの話しで 武井という人間
像がある程度分るでしょ? そう、見切り発車も平気でする奴、と
いうか、 お化けは出てから驚けば良い、 出る前からビクビクする
必要はないと考える奴です。 そんな奴ですから、お金の為に頭を
下げる、、なんて発想はありません。 この家に今必要な事、今
考えるべき事は何か? これが基本であり、これが家族目線だと
思っています。 葬儀屋というより、 あんた家族か? と思える
典型例とも言える二つの葬儀実例の話しです。 わずか、四ヶ月
前に喪主をされた四十八才のご主人が急死した、耳を疑うような
内容の電話、 半信半疑のまま、搬送依頼をして、車で四十分
ほどの距離にある隣接市の病院に向かいます。 病室に入ると、
顔当て布が掛けられた ご遺体がベッドに横たわっていますが、
これが、ほんの二ヶ月前には 元気な笑顔で母親の納骨法要
相談をしていた人だと思うと 顔の布を取って見る気には なれま
せんでした。 ご家族は、四ヶ月前の葬儀で 皆さん顔見知りで
すから、我々を見た瞬間「武井さん、○○が死んじゃったよー」と
泣き出すのです。 僕自身まだ信じられないのですから、ご家族
なら当然でしょう。 一度深呼吸をすると「とにかく自宅に連れて
帰りましょう」 僕自身、冷静さを装うだけで精一杯で まだ何も
考えられません。 到着した業者さんの車両で、病院から五分
程度の距離にある自宅に戻ると、布団に安置して、ドライアイス
処置をする時、顔の当て布を外すと、そこには数ヶ月前に元気な
笑顔で我々と話しをしていた本人の姿があり 本当なのだと分かり
ました。 ご安置をすると、打ち合わせの前に、故人の義兄である
姉の旦那さんを呼び言いました。 「ねぇ、この後、この家食べて
いけるの?」 「うん、そうなんだよな」 「どうする? 葬儀するの?
火葬だけにする?」 「・・・」 自分で答えを出せないようです。
実はお子さんの一人に障害があり、特殊な学校に通っているので、
奥さんは仕事をしておらず、 上の子は大学受験なのが分っていた
からです。 そこで、故人の奥さんを呼び同じ事を聞きます。
「そうですよねぇ、、どうしたらいいですかね」ならばと、この場にいる
近い親族全員を集め 葬儀について聞いてみると、さすがに火葬
だけとは行かないし、四ヶ月前の母親と同じ程度の人数は来る
だろうとの事でした。 四ヶ月前は民間施設を使い、小さな部屋で
六十名ほどの葬儀だったのです。 暫く考えた僕はこう言いました。
「分りました。なら公営斎場でやりましょう。 部屋は二百名入り
ますが、費用は前回の時と変わりません。 だから できるだけ沢山
の人達に会葬して頂いたほうが、実費持ち出し費用は抑えられる
はずです。いかがですか?」 僕の性格というか、あんしんサポートの
葬儀を知っている人達ですから、すぐにそれで決まりました。
前日の新聞に掲載した葬儀は、会葬者数百六十名となり、
お寺の費用まで全てを賄えたのです。 少なくとも赤字を出さずに
自分達のお金に手を付けずに 葬儀が出来たのは 大成功と
言っても良いでしょう。 ちなみに、会葬者百六十名の葬儀は
会場費、料理、返礼品、税金までの総額で八十二万円でした。
結果として 一般葬儀を選択する形となりましたが、一般葬儀社
との違いは、話しの流れを読めば分りましたよね? 次の例は、
それがもっと顕著に出た時の話しです。
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事務所に戻った我々は すぐに粉骨に使用する機械とは どんな
物か調べると、約四十万円もする、、たっけー、、どうすっかなぁ
買えねぇ。 そこから、どんな機械なら可能なのか、安く手に入る
物は無いかを調べたのです。 お婆さんには五万円の提示をして
あるので 来月半ばまでには対処方法を探さなくてはなりません。
数日間調べたところ、豆などの穀物も粉にする機械があると知り
ました。固い豆ならば焼骨のほうが ずっと柔らかいはずです。
次は何処で安く売っているのか調べ中古の機械を六万円で購入。
何度か散骨すれば元は取れるだろう、、と、仮に使い勝手が悪く
ても二回散骨すれば機械の元だけは取れるとの判断でした。
これで、準備完了、すぐにホームページの散骨料金も引き下げ
五万円に変更しました。それから数日後、何かにつけ僕の頭の
中に、そのお婆さんとの会話場面が現れるのです。それから更に
数週間経ち、月が変わろうとした頃、僕の前の席に居る、千明に
言います。 「俺さぁ、あのお婆さんの散骨を五万円で引受けた
けど、このまま実施して五万円貰ったら、あとで俺自身が後悔す
ると思うんだよ。 だから、一回だけ、遺骨を自宅に抱え供養して
いる人達の為に、総額一万円で合同散骨ってどう?」 それを
聞いた千明は「なるほど、ずっとじゃ無理だけど、一度だけなら
それも良いかもね」 これが合同散骨を決定した瞬間でした。
すぐにお婆さんに連絡をし、散骨は半年ほど先になると思うけど
一万円でできるようにするから少し待ってくださいと伝えると、快く
待ってくれたのです。 さぁ、それからが大変です。 合同散骨と
言ってはみたものの、よーく考えると、遺骨を抱えておられる方々の
年令層は高い事が予想されますが、高年齢の人達はアナログ
人間です。 メディアはテレビ、新聞、ラジオ程度で、パソコンなど
無縁の人達にどう伝える? 更に、遺骨を自宅に抱え供養して
いる、、自分がそれを望んだならともかく、墓が取得できないが為の
自宅供養なら、人に言いたい話しではない事は想像できる。
簡単に決めたものの、苦戦をするのは必至と覚悟する。
とりあえず、遺骨の相談に来ている人はいないだろうかを聞く為に、
群馬県庁内にあるNPOボランティアサロン群馬に行ってみる。
カウンターを挟んで数人の人が話しをしている。 よく見ると以前、
ここに在籍し、今はSIEN2という任意団体の代表をしている富澤
さんの姿もあったので すぐに声を掛けた 「あれ、暫くぶりです」
「あ、どうも」いつもニコニコと笑顔の印象のある人です。
SIEN2(支援ツー)と読みますが、僕より五つほど年上なので、
一番下の団塊の世代の人だからこそ、 なおさら実感できるので
しょうが、 我々が小学校時代に飲んだ脱脂粉乳を始めとして
莫大な支援をしてくれたのがユニセフなんだそうです。 そのお陰で
自分達の今があるし、高度成長が出来た我々が、今度は世界の
貧しい国々を救う時だと思い、毎月一万円、年間一二万円
ユニセフを通して寄付を始めたのが SIEN2の始まりなんだそう
です。 今は海外旅行で持って帰った両替の出来ないコインや、
切手、ハガキなどを集めて換金して送っています。 この話しを聞
いた時は、すんげー人だと思いました。 本人は自分のできる身の
丈の事をするだけですよ。 と笑顔で言いますが、自分のポケット
から毎月一万円の寄付、、あなたはできますか? 正直、僕には、
そんな発想はできません。 この出会い後、富澤さんには、お世話
になりっぱなしです。挨拶のあと、少し話を聞いていると 「ところで、
今日はなに?」と振ってくれたので、これ幸いとばかりに、今回の
流れを話したのです。 すると、自分が新聞各社に記事の依頼を
する時はねとの話しをしてくれ、良い事なのだから、何なら自分も
一緒に行ってあげると言ってくれます。 ねっ 実に親切な良い人
でしょ? この数日後、場所を変え 改めて合同散骨の話しを
すると、それにしても安すぎるんじゃないの? 合わないでしょ?
と言われました。 確かにそうかもしれませんが、僕の考え方を話し
ました。 ひとつには五万円貰ったら自分で後悔すると感じた。
そして、確かに一万円で、焼骨を乾燥、粉骨にする、喉仏用
小さな容器、散骨場までの送迎費、そして、消費税の全て込み
ですから儲かるかどうかのレベルではありません。 でも、それで心の
痛みが取れる人が居て、 あんしんサポートが若干の赤字だとし
ても、もし、一紙でも新聞で取りあげてくれたら、広告宣伝費だと
思えば良いじゃないですか と話したのです。
それを聞いた富澤さん、納得はできなくても理解はしてくれたようで
ならば、自分の知っている新聞社の人がいるから、その話しをして
みますか? と言ってくれたのです。 記事にしてくれるかどうか分り
ませんが、僕が話すより、武井さんが話したほうが思いが伝わると
言われました。後日、新聞社の方に話しをさせて頂いた結果は、
翌年の新聞に紙面の四分の一をカラー写真付きで、直接ではなく
武井という人間を紹介する形で 「最高の供養を考える」という
タイトルで掲載されました。 記事の最後に「蓄えも無く、わずかな
年金で暮らす高齢者があまりにも多く、こうした人達もまた、自分
たちの葬儀費用を心配しているという現実。 低料金の葬儀を
実現する事で「あんしんサポート」がそうした人達の心の支えであり
たいと思っている」と書いてくれたのですが、それ以降の葬儀では
「この記事を見て助かった、これで救われた」と思ったと記事を切り
抜いて持ち歩いておられた方が何人もいるのです。 ときたま、
記事を見られた人は良いけど 今日の、、この瞬間にも きっと
高額な葬儀に対し胸を痛めている人達は沢山いるのだと思うと、
どうしたら、我々の存在を知らせられるか、また、群馬だけでなく、
日本全国で、同じような思いを持つ人達が立ち上がってくれたら、
と思いますが、この思いをより強く、再認識させてくれたのが、富澤
さんという人でもあるのです。 こうして、一度だけの一万円合同
散骨の実施が決まったのですが、僕の事ですから あと一回や
二回は一万円合同散骨はするんでしょうね。・・・つづく
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