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美容に携わって30年のある日 忌み嫌ってきた葬儀の仕事を始めるきっかけとなる時は突然訪れた。。
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葬儀時に使用する位牌は 白木位牌とワンプと呼ばれる袋を被せた

野位牌がありますが 白木位牌は49日忌明法要まで 本位牌として

野位牌は葬列の時に持って 火葬炉の前に置く位牌と言ったほうが

群馬では分かりやすいでしょう。 野位牌は字の如く野に置く位牌で

墓誌に名前が刻まれるまで 墓に置く位牌なのですが 49日に納骨

されるなら遺骨の無い墓に位牌だけを置くのも変な話なので 自宅

後飾り祭壇に遺骨と一緒に置けば良いでしょう。 但し県北のような

当日納骨を慣習とする地域では 墓誌に名前を刻むまで 野位牌を

置くのは本来の目的で使用できます。  本来という意味では位牌が

朽ちるまで置くことになりますが 古くボロボロになった位牌は決して

見た目の良い物ではないので 49日法要で下げて お炊き上げして

貰えば良いでしょう。  白木位牌は家族親族用分け位牌として使用

される事も多く 葬儀祭壇に数本の位牌があった時は分け位牌だと

思って良いでしょう。 白木位牌が使われるのは 黒塗りの位牌より

安価で抑えられる事もあるようです。 分け位牌は必ず行う事で無く

或いは決まり事でもありません。 位牌があっても、 手を合わせたり

水や茶やご飯や線香もあげず、 ほこりを被っているくらいなら無理に

分けて貰わず 時々でも故人を思い出したほうが ずっと供養になる

でしょう。 そう考えると渡す側も渡される側も  お互い確認してから

作る作らないを決めたほうが良いでしょう。  白木の品としてもう1つ

小さな塔婆が7本挿してあるのが「七本塔婆(しちほんとうば)」です。

49日迄は仏の仲間入りは出来ず 7日毎に閻魔様が現世の行いに

対して裁きをするのだそうです。 亡くなった日を一日として7日後が

初七日(不動明王) 二七日「ふたなのか」(釈迦如来)  三七日(文殊

菩薩)  四七日(普賢菩薩) 五七日(35日)(地蔵菩薩) 六七日(弥勒

菩薩)  七七日(49日)(薬師如来)と7日毎にそれぞれの菩薩 如来に

導かれ 塔婆を供養する事で地獄に落ちることなく 49日を迎えられ

るというのが七本塔婆の由来でしょう。 ちなみにその後は百か日が

(観音菩薩) 一周忌(勢至菩薩) 三回忌は(阿弥陀如来) 七回忌は

(阿しゅく如来) 十三回忌(大日如来) 三十三回忌(虚空蔵菩薩)です

菩提寺から十三仏の掛軸を49日法要まで 後飾り祭壇の上に掛ける

よう貸してくれる場合もありますが それは これらの理由からです。

もうひとつ、日数は亡くなった日を一日として数えますので注意です。

亡くなって二年目が三回忌となるのは この数え方によるものです。

思い出しついでに もう一度お伝えしておきますが 今回で9話になる

「葬儀の具体的な流れと使用品の話」を書く理由は 葬儀の流れが

知りたいと思ってネット検索すると ネットの中で見つかるほとんどは

逝去 - 搬送 - 安置 - 通夜…  など極端に言えば この程度の流れ

だけが書いてあって 業界の人間や葬儀に詳しい人なら何の疑問も

なく分かるでしょうが、、正直、一般の方々には殆ど分からないのが

現実だと 来社されたご夫婦に聞いたからなのです。 その通りだと

思うし 未経験者は知らなくて当然で 年令には無関係ですしね。

書いてる僕が意識しているのは このブログを読んでくれた方々の

頭の中に その場面が絵として浮かんでくれたら それぞれ葬儀で

使用する品々が どんな場面で どんな由来の物か分かり それは

我が家にとって必要なのか、不要なのかも判断し易くなるかも、、

との思いで書いています。場面によっては気味悪いとか、、怖いと

思えるほど 細かい表現があるのもその為です。 ・・・つづく

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さて、いよいよ安置したお部屋の飾り付けです。 天井から床面まで

白幕を張りますが 天井高は2m40cmか2m70cmが一般的です。

幕の前には白黒格子の屏風を置き その前に祭壇を組み立てます。

写真の祭壇は「自宅密葬パック」では本祭壇として、、「斎場パック」

では安置用の自宅祭壇となります。 この祭壇は当社のオリジナルで

他社の祭壇とは違いますが 祭壇内容の説明だけしておきます。

一番上に一対で光っているのはキラキラ回転灯で中々綺麗ですよ。

その下に青く光っているのは灯篭で、 その内側に白と緑の山盛りは

砂糖盛です。 真中に黒く見える四角い枠は遺影写真を入れる花額

手前には野位牌と、骨壷の箱、、両サイドには生花一対、そして手前

最下段にあるのは線香具一式の枕飾りです。 またこの祭壇の場合

写真では30cm程の台座の上に 三段の白木祭壇が乗っていますが

下の台座は70cmの高さにもなります。 靴のまま入る部屋の時など

には適しています。 祭壇の横幅は150cm~250cm位まで 部屋に

合わせて設定し 奥行きは100cmほどです。 祭壇の前にご遺体を

安置し その手前に枕飾りを置いて 弔問客が線香をあげるのです。

自宅葬儀用祭壇なので 安置祭壇としてはかなり豪華な印象です。

明日は、祭壇に飾ってある「白木位牌類」、、つづいて「骨壷色々」と

話を進めていきたいと思います。 ・・・つづく

役所手続きや新聞掲載の準備が済むと ご遺体を安置した部屋の

飾り付けに入りますが 故人用のお膳である白木膳から話を進めて

いきます。 白木作りで一辺が24cmのお膳には「一膳飯」「枕団子」

「コップに水」が置かれます。一膳飯とはてんこ盛りのごはんに箸を

突き立てたように刺したご飯で 葬儀終了まで代えないのが一膳飯

だと思えば良いでしょう。 葬儀後は家族と同じ物を少量供えてあげ

れば良いでしょう。 数日そのままのご飯ですが 地域により違って

和紙や半紙に包んで棺に入れる地域や 火葬炉前に白木膳を置く

地域もあるので その地域の慣習に習えば良いでしょう。 枕団子

ですが これも地域によって違いがあり多くの地域は6個ですが、、

中には49個(7×7)の場所もあり 清めの席で配る場合もあるなど

ほんと、、色々ですが由来を考えれば数はいくつでも良のでしょう。

では枕団子の由来ですが釈迦が入滅(亡くなる)直前に 弟子達が

釈迦に食べさせるべく用意した流動食に由来すると言われています。

結局、釈迦は食べずに入滅した為、団子を枕元に飾るようになった

のですから 団子の数は問題ではないはずです。 団子の大きさも

色々でピンポン玉ほどの大きさから それより2回りくらいは大きいと

思うほどの地域もあるし 器もお皿が圧倒的に多いのは確かですが

お椀に入れる地域もあったりします。 補足として書いておきますが

一膳飯が、、、地域によっては一日一膳飯とでも言うのでしょうか、、

ようは毎日取り替えて 3日なら3回分のご飯の包みを棺に収める

という地域だってあるのです。 こうして色々な地域の様々な慣習を

見聞きすると ようは「これ!」といった決まりないとも言えるでしょう。

大切なのは形ではなく 送る家族の心、、、なのでしょうね。

・・・つづく


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