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午前7時前の電話布団から起きて正座、火葬葬儀と散骨の依頼
だと千明は言う。 北に位置する隣接市とのこと。いつものようにドラ
イアイスを準備するが、昨夜自宅で突然亡くなったとのこと。 自宅で
の突然死や自殺の場合、警察の検視が入るのが普通、首の後ろ
から骨髄液を採取して調べる。 ご家族は殺人の容疑も掛るので
決して気分のよい捜査ではないだろう。 朝の渋滞もあり、予定の
時間より少し遅れて到着、部屋に入り故人を見ると大きい、40代
だという故人の母親に身長体重を聞くと185cm・150kくらいだと
思うとの答え、大きいはずである。 掛けてある布団をはぐと胸の位
置で手が組んである。 検察官が数人掛りで組んでくれたのでしょう。
が、実際は胸の前ではなく、お腹の上で手を組まないと、肘が張る
ので棺に入りません。 ましてや普通の人より相当大きいので、特大
棺でも入るかどうか不安です。 お母さんに「これでは棺に入らない
ので、腕を縛れるような物はありますか?」 すると帯揚げを持って
来てくれました。 処置を済ませて火葬の話を始めると、話の中で
「生活保護」の言葉が出てきました。「ん?生活保護を受けている
のですか?」 「ええ そうですけど・・」 「なら、すぐに市役所に行き
ましょう。 多分、葬祭扶助が受けられるはずです」「葬祭扶助?」
「はい、葬儀費用を規定の範囲で支給してくれる事です」
「へぇ そんなのあるんですか?」 「とにかく行きましょう」数人の友人
知人らしき人達に、留守をお願いして市役所に行きます。
福祉課に行き 生活保護対象者が亡くなったので同居家族から
葬祭扶助の申請をしたいと告げます。 担当者と話をしていると
ドライアイスは費用として認めてないという、、、「ん??」変だと
思ったが、あとでどうにでもなる事なので、申請書類を預かり承認だ
けは得ておく。 続いて検死した医者の病院へ向かい検案料である
35000円の請求書を貰っておく、今回の市は3級地なので174
100円以内これが1級・2級地だと199000円なのです。それに
5100円を超える検案料は加算されるので204000円以内が
葬祭扶助として支給されるはずです。 ただ、市職員の言うドライ
アイスが認められないというのは有り得ない話なのです。 仮に真夏
で、亡くなった翌日、或いは翌々日などが友引なら火葬場は休み
なので火葬はできません。 ドライアイス無しでは到底、腐敗せずに
保存は不可能ですから、一度のドライアイスは絶対に認められる
自信があるのです。 また、こんな話も出ました。葬祭扶助とは、
葬儀の出来ない人に行政が支給する費用であり、他の費用に使う
ことは出来ません。 申請者である本人に支給し、もし、申請者が
使いこんでしまったら、葬儀施行を実施した葬儀社から市は請求
される事になります。 施行をする葬儀社は市が支払うのを条件で
行なっているからです。 多分、多くの行政は直接、葬儀社への
支払をしていると思うのですが、今回は申請者に支払い、その場に
居た我々に渡されました。 この対応自体一歩間違えれば問題と
なるはずです。 普通、葬儀社が申請者を乗せて申請をし、その
まま検案料の請求書を取りに、医者まで葬儀社が乗せて周るとは
思えません。ちなみに生活保護なので自動車は所有していません。
など行政の話にいくつかの疑問は残りましたが、使える権利を使い
火葬葬儀費用は行政からの支給で賄えて良かったです。
また心配していた特大棺でも入るか? は、10人ほどで納棺する
際、ミシッ、と鳴りましたが何とか入りました。特大棺の差額や1回の
ドライアイスで2回分使用、散骨費用まで10万ちょっとです。
今回は大きな身体で沢山食べるだろうし、あの世への旅路の途中
でお腹を空かせないように4合のご飯で2つ、海苔と梅干のすっごく
大きな、おにぎりを作って持たせてあげました。・・・つづく
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提示されている県内の支援地域内の病院から、支援地域内の
自宅(安置所)までは基本料金としてパック内費用とする。但し、
病院、もしくは自宅が支援地域外の場合は、二十kmまでを基本
料金(13650円)として、それ以降は十km毎に3150円加算す
る。 この場合搬送シートは別途三一五〇円加算されます。
大枠はこんな感じです。 ようは病院も自宅も双方県内の支援地
域内にあるなら30kmでも 50kmでも追加はないって事です。
これなら遠くの支援地域も五万円だけで火葬が可能になるのです。
一応、表にして届出をしにいくと料金に対しては、さっと目を通す
程度で完了。 これで三年前にくちにした火葬パック完成です。
届出を完了すると、いよいよ料金表の変更です。
「火葬パック89900円 → 5万円」
小さな家族葬儀パック料金は189000円のままですが、キャビネ
サイズ遺影写真と 自立木枠額がパック内料金に入り「斎場葬儀
パック399000円 → 299000円」に変更となりました。
火葬パックだけでなく、斎場葬儀パックまでも、霊柩車が自社所有
になるだけで10万円値下げは、あんしんサポートをご存知の方も
ビックリされたようです。 しかし3年前にくちにしていたのは、5万円
火葬だけでなく、葬儀は間違いなく小規模になるはず60名~70
名の葬儀で60万円を切る葬儀にしたいとも言っていたのです。
その発言をも可能にする為の引き下げなのです。 その結果は、
霊柩車の始動を、待っていてくれたかのように連続して葬儀依頼が
入り、費用確認できる事になるのですから不思議です。
中年女性のご主人も、長く入院中だと言う。 安置をして、相談を
始めると、一月に掲載された新聞記事を取り出しました。「この
記事を見た時、救われたと思ったんですよ。だからずっと大事に
とっておきました」記事には葬儀費用の蓄えも無い人達のちからに
と書いてある。 すぐに五万円火葬支援パックの話をすると、お願い
しますと即答です。 火葬当日は僕らまで入れて三人だけ、、たった
一人の葬儀です。 火葬時間の九十分は三人でおしゃべりして
過ごす。 拾骨のアナウンスが入り、立ち上がると彼女は言う「90分
って、あっと言う間なんですね」「そうですね」軽く流したが90分が短く
感じるか長く感じるかは過ごし方次第だろう。 待合室で3人で話を
するという選択は正解だったようです。 たった一人だけで静かに待つ
90分なら相当長く感じたはず、、そのまま拾骨に向かい、彼女と僕
彼女と千明の組合せで 焼骨を二人で挟んで骨壷にいれるのも
当たり前のように思えるほど近づけた90分間です。 こんな小さな
気遣いこそが、後悔の無い葬儀にしてくれる温かさなんだと思う。
これが5万円火葬支援パック実施初始動でした。 その3日後には
斎場葬儀初始動の依頼が入りました。 葬家は隣接市であり故人
も隣接市の住人、でも良く聞くと故人の実姉が前橋市民だと言う。
「ん! ならば、前橋斎場での葬儀も市民と同じ条件で出来ますが
どうしますか?」 葬家から斎場までの距離も、前橋のほうが近いし
現時点では今年新築された前橋のほうが 綺麗であり前橋、渋川
だけは3親等内の親族が申請者であれば、市民同様の条件で
葬儀可能だからです。 こんな事って一般の人達はまず知らないで
しょうし、同一市内だけを対象にしている葬儀屋さんなども不要な
知識かもしれませんが、我々のように広範囲に支援地域があると
時には必要な知識でもあるのです。 自宅に安置祭壇を設営し、
斎場での葬儀費用「会葬者245名・料理50名・式場、待合室
まで全ての合計で85万円でした。 続いての経験は公営住宅に
ご安置し斎場での葬儀でした。 安置したのは、六畳間ですが
タンスが二つあり実質四畳ほどの部屋です。 そこに祭壇を飾り、
湯かん納棺の儀では、家族親族が8名ほど座れたのには、設営し
た僕らがビックリですが、狭くても何とかなるもんです。
費用は「会葬者100名・料理35名・式場・待合室まで全ての
合計672000円でした。 この二回の経験から、3年前に設定を
した60~70名で60万円を切る葬儀が、完成した事も確認でき
ました。そして、予想外ですがもうひとつ初体験の生活保護家庭の
葬儀を、この翌日に経験するのです。・・・つづく
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いよいよ緑ナンバーを装着する最終行程です。あちこちと行かされ、
書類が揃うと申請がしてあるナンバープレートです。 これで、同じ
ナンバーの車が3台になりました。 あんしんサポートの車3台は
全て電話番号と同じです。 取り付け場所で備え付けのドライバー
で装着すると係りの人が来て、丸く盛り上がった部分に「群」の文字
が彫られたフタをポコッと入れ全て完了です。 平成23年2月15日
昨年10月、オークションで購入した霊柩車はやっと公道を走れる
状態になったのです。 但し、、黒に近いグレーですか?と言われ
そうな擦り傷だらけのボディーです。 この一週間後には36750円
で研磨フッ素加工をして貰って またまたピカビカのお肌美人さんに
戻ったのです。 お、それと、左右の後方にはグレー文字で「NPO
あんしんサポート」と2段に書かれており、後ろのハッチバック扉には
NPOの文字、なんかさぁ、、FBIみたいで中々のもんですよ。
「霊柩車始動」
NPO設立から2年7ヶ月ようやく、霊柩車の自社所有が叶い、
5万円火葬支援パック実施まで秒読みとなった感があります。
が、霊柩車の運転も、ストレッチャーは何をすれば、どう動くのかが
全く分りません。 陸運局から帰った僕らは早速訓練開始です。
霊柩車からストレッチャーを引き出すと、たたまれていた足がバネで
開いたり、閉じたりする事で、ストレッチャーが自立したり、車載用に
低くなるのです。 何度か自分で練習したあとで千明が練習開始
霊柩車の後ろ扉を開け ストレッチャーを引き出した瞬間、ガシャ
ーン!手元部分は自立して高くなり、故人の頭の部分は足を畳ん
だまま、下に落下した音、あれ?「おいおい、あれ?じゃねぇだろう?
故人が乗ってたら、頭から落下だぞ」「そうですよねおかしいなぁ、、
もう一度やってみます」再度挑戦、ガッシャーン!「またかい!・・・」
あれーっ?? なんでだろう、よし、ゆっくりやれば良いんだ」そう言うと
今度はゆっくり引き出します。 千明側の足は無事に出ました、、
続いて、向こう側の足が車体から離れる寸前まで引かれると、さらに
ゆっくりと引いて、、ガッシャーン!、、、「はぁ? もしかして、レバー
握ったまま引いてない?」「はい!ちゃんと握ってます!」「ふぅ・・・
だからだよ」漫才のような練習をした初日から始まり、車体の傷を
直し、五万円火葬支援パック実現に向け最後の準備に入ります。
最後の壁と考えている一般貨物自動車運送事業の運輸開始
届出書を、陸運局に提出するのですが、この時、運送料金表を
提出することになっています。 搬送料金がどんな仕組みになって
いるかご存知ですか? パックやセット内にある搬送の後に10km
まで20kmまでなどの文字が意味するもの、多分、多くの人達は
病院で乗せ、自宅まで走った距離だと思っていませんか? 答えは
ブッブー間違いです。最も多い計算の仕方は、霊柩車や寝台車の
車庫 → 病院 → 自宅までの合計距離です。 だから10km以内
の表示だった場合、殆どは追加料金が発生します。 げんに我々が
依頼した中で圧倒的に多いのが20kmかそれ以上で10kmなんて
1度もありません。 それに、以前病院から家族が自分達で搬送を
した時に「父ちゃん、椎坂峠だよ・」って書いたのを覚えていますか?
その時に自分達で搬送車両を持ったら、思い出の地や、思い出の
場所を周ってあげたり、少しなら停車してあげられるようにしたい、、
そして最も重要な5万円だけで行なえる火葬の実現には、距離
での料金ではない基準が必要なのです。 ただ、我々の知る限り
殆どの葬儀社や搬送専門社の設定が金額の上下はあっても10
km単位なので、これは陸運局の指導?なのかと思っていました。
が、申請書類の相談をしている時に聞いた限りでは、料金表に
決まりはないと聞いてますし、とんでも無い料金でなければ、料金
表を作成して届ければ良い程度のようでした。 そりゃそうだろうなと
思えるのは、葬儀社によっては地域内なら病院のお迎えは無料と
提示してある場合もあるのが現実だからです。そこで、あんしんサポ
ートの料金体系はこうしました。・・・つづく
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